奈良県橿原市にある「おふさ観音」のほぼ正面にある「総本家さなぶりや」。
そこで製造・販売されている「さなぶり餅」をご存知ですか?
お土産によし、ハイキングのおやつによし。
まさにココでしか食べることのできない、日本発祥の地・橿原を代表する名物「さなぶり餅」と「総本家さなぶりや」をご紹介します。
「さなぶり餅」とは
まずは「さなぶり餅」とは何なのか、由来や特徴についてご紹介します。
「さなぶり餅」の由来
お餅と言えばもち米ですが、このさなぶり餅は大和に古くから伝わる小麦を混ぜたお餅で,主に夏至の時期に神様にお供えをしたりして食べたのが由来です。
奈良は素麺づくりが盛んで、昔から食文化の中心に小麦があったことから小麦を餅にする文化が根付いたと言われています。
さなぶり餅のような小麦で作られた餅は、別名「半夏生餅(はんげしょうもち)」と言われています。これは夏至から数えて11日目を「半夏生」と呼んだことが由来しているようです。
関東地方でも「小麦餅」と呼ばれる小麦を材料にした餅を奈良同様に夏至に食べる習慣があります。
ここ奈良ではきな粉や砂糖をまぶして食べるのですが、関東地方の小麦餅は焼いて食べるという違いがあります。
そんな古くから伝わる半夏生餅を、総本家さなぶりやが再現したお餅が「さなぶり餅」です。
大和に古くから伝わる小麦を主材料にしたきな粉餅。ぶつぶつした舌ざわりが特徴「さなぶり」は夏の季語。「さ」は他の神をさし「なぶり」は昇りの転訛音で田の神が天に昇る意、田植えの無事を感謝し、神にお供えした餅をさなぶり餅という。
「総本家さなぶりや」店看板より引用
小麦で作られた「さなぶり餅」は栄養満点
さなぶり餅の原料である小麦と、さなぶり餅にまぶすきな粉は、もち米だけでは補えない栄養を取り込むことができます。
なんと、ビタミンB1・たんぱく質、脂肪酸・食物繊維・カリウム・鉄を摂取することができます。
特にきな粉をかけることで、たんぱく源を栄養として取り込むのに必要なジリンも摂取できるので、栄養効果が格段にアップします。
さなぶり餅は、まさに先人が伝えてくれた遺産であり、古の都・大和に誇れる名物と言えるでしょう。
「総本家さなぶりや」ってどんなお店?
そんな素敵な大和名物「さなぶり餅」と、さなぶり餅を食べることができる貴重なお店「さなぶり総本家」をご紹介しますね。
「さなぶり総本家」は奈良県橿原市にある「おふさ観音寺」のほぼ正面にあります。
おふさ観音寺を出て左手前にある「米のすぎもと」と書かれたお米屋さんが「さなぶり総本家」です。看板で大きく「さなぶり餅」と書かれているのですぐにわかります。
お店の中は、昔ながらの商店そのままな雰囲気。
誰も店に出ていないことがありますが
すみませ~ん
と声をかけてみてください。
すぐに親切なお店の方が出てきてくれます。
入り口入って右側はお土産コーナー。
素麺を始め、麦やお米でできたお菓子などが商品として置かれています。
そして、こちらが「さなぶり餅」のコーナー。
お土産用にパックされた「さなぶり餅」が並んでいます。
「さなぶり餅」はひとつ(135円:税込)から販売されていて、お土産用の6つパック(615円:税込)とお得です。
家族へのお土産などにはこちらの6つパックがオススメですね。
ホームページを見てみると、これ以外にも様々なパッケージが用意されているようです。
必要に応じてお店の方に相談してみてください。
お店の入り口入って左側は、イートインスペース。
購入した「さなぶり餅」をその場で食べることができます。
飲み物はこちらから。
飲み物のラインナップと値段はこのとおり。
種類は少ないですが、料金は良心的と言えそうですね。
「総本家さなぶりや」の「さなぶり餅」
それでは名物「さなぶり餅」をいただきます。
今回は試食的に、ひとりでも気軽に買えるこのひとつ入りでパックされた「さなぶり餅」を買いました。
このようにひとつから販売されていると、気軽に買って食べてみることができます。
お土産にも良いですし、ハイキング途中のおやつにも良いですね。
ふたを開けると、透明フィルムを挟んださなぶり餅の上に、袋で密閉されたきなこ・黒蜜・プラスチック製の菓子切りがついています。
さなぶり餅の上にあるフィルムを取り、黒蜜をかけ、きな粉をまぶします。
袋を切るためのハサミと、黒蜜やきな粉で汚れた手を拭くための濡れティッシュが用意されていますので、手についても安心です。
黒蜜もきな粉もたっぷり入っているので、全部かけるとこのようにさなぶり餅が見えなくなってしまいます。
さなぶり餅はひと口で食べられる大きさではないので、菓子切りで食べられる大きさに切って、黒蜜ときなこをシッカリとつけて食べます。
小麦の全粒粉によるツブツブした舌触りと、ねばり気の強い餅、ほんのりと口に広がる小麦の味?に黒蜜ときな粉の甘さがマッチしていて、かなり美味しいです。
「餅」と銘打たれていますが、素手で持つと手が餅まみれになってしまうレベルのねばり気です。
そのねばり気が、さなぶり餅の味を口の中で広げてくれます。
正直、期待以上の美味しさです。
思わずもうひとつ、買って食べてしまいました。
お茶を自分で買いましたが、無料で熱い緑茶でもいただければ、かなり嬉しかったかもです。
ハイ、わがままですねw
ごちそうさまでした。
ホントに美味しかったので、家族用に6つ入りの箱ひとつと、職場の同僚むけにひとつ入りのパックを3つ買って帰りました。
「さなぶり餅」の感想・おすすめポイント
小麦餅と聞くと、ピンとこない人が多いかもしれませんが、「さなぶり餅」は、きな粉と黒蜜がダメな人でなければ、間違いなく美味しくいただけます。
イートインスペースもあるので、散策の途中や参拝ついでに「さなぶり餅」をいただきながらひといきするのも良いでしょうね。
おすすめポイント
- おふさ観音寺前すぐなので、参拝ついでに気軽に寄れる。
- お土産にも最適。
- ひとつから購入できる。
- イートインスペースがあり、購入したものをすぐ食べられる。
- 「総本家さなぶりや」と近鉄大和八木駅前の「近鉄百貨店橿原店」でしか購入できない貴重な和菓子。
「総本家さなぶりや」へのアクセス・営業時間など
「総本家さなぶりや」の周辺地図です。
「総本家さなぶりや」へのアクセスや営業時間はこちら。
店名 | 総本家さなぶりや |
HP | http://sanaburi.com/ |
住所 | 奈良県橿原市縄手町243番地 |
電話 | 0744-22-2243 |
アクセス | JR畝傍駅より南へ徒歩6分 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 火曜日 |
席数 | 4~6人 |
駐車場 | なし |
クレジットカード | 不可 |
まとめ:「さなぶり餅」はきな粉&黒蜜好きは食べておきたい小麦餅
橿原市の代表的な和菓子というと「だんご庄」や「はにわ饅頭」を思い浮かべますが、個性的な食感や味の魅力はもちろんのこと、「さなぶり餅」の由来や歴史的背景はこれら2つを圧倒する隠れた橿原市の名物と言えるでしょう。
全粒粉の小麦餅という独特の食感と、黒蜜・きな粉とのマッチングした魅力。
一度食べてみれば、きっと「さなぶり餅」のファンになるはず。
ぜひ、食べてみてくださいね。
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